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織田信忠 「本能寺の変」に散った信長の嫡男 (PHP文庫)

星5つ: (2)
星4つ: (2)
星3つ: (1)
星2つ: (0)
星1つ: (1)
おすすめ度
3.5 (6件のカスタマーレビュー)

ケータイで読む
No. 1
8人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
4 楽しめる一冊, 2006-07-02
By ID:A35USW8CWZBVAXさん
マイナーな武将を扱った作品は、正直なところ目をみはるような優れた作品は少ないと思う。素材が素材で、有名武将の陰に隠れた生涯を描くという試みであるだけに、それはある程度仕方がないことだと思うが、同書は織田信忠という世間一般ではマイナーな武将を扱った一冊でありながら、かなり秀逸な出来に仕上がっていると考える。

信忠を取り巻く人物や環境の描写の秀逸さもさることながら、信忠の成長していく様の描写はまさに圧巻で、読む側に、信忠さえ生き残っていたならば織田家は信長の歿した後天下をとることが出来たのではないか、とさえ思わせてしまう構成力は素晴らしい。私が今まで接したマイナーな武将を主人公にした作品の中では最も感動し、物語にのめりこむことが出来た一冊で、ぜひおススメしたい。

ただ、信忠が何故二条城に立てこもり、本能寺で散った父信長に殉じたのかという最も興味深いハズの部分に、筆者が解釈を示してくれなかった点は惜しまれる。読後、少々スッキリしない感じは残った。これさえ満たされていたならば、戦国武将モノに代表される一冊になったであろう。

したがって評価は星四つ。とはいえ、かなり楽しめる一冊だと思う。ぜひ一度読んでみてはいかがだろうか。
No. 2
8人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5 とても面白かったです, 2004-03-24
By ID:A7E8B4TRWQATさん
今読み終えました。
小説はリアリティーとフィクションのバランスが大切だと
思いますが、本作品は絶妙でした。
とても面白かった。
カットされたという原稿700枚以上の部分も機会があれば
是非発表していただきたいです。
No. 3
6人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
4 戦国時代を疾走する信長嫡男, 2005-08-13
By ID:A2RZST3YS2EH7Tさん
信長の影に隠れ、その実像が謎に包まれている嫡男信忠の生涯を綴った歴史小説。
彼のキャリアにおいて転機となった(と将来言われるであろう)作品。イフ物の反動か、徹底した調査と史実へのこだわりが前面に出た内容となっているこの作品は、『三郎景虎』や『北条戦国記』にあった微細な心理描写は影を潜め、ドラマ部分の弱さが気になる。しかし、それが功を奏し、テンポの速い飽きさせない作品となった。ただ、読者に基礎知識がある織田家ゆえそれが可能になったのであり、後の『佐竹義重』では、相当の戦国北関東マニアでない限り、ついていくことは困難である。また、数少ない心理描写である松姫に対する憧憬も動機が曖昧で、未消化の印象が強い。また、信長になかなか起用されない焦慮を、これでもかというほど描くのも新鮮味がない。そして、最大の謎である「信忠はなぜ踏みとどまったか」に対して斬新な解釈はない。ただし、この作品の疾走感は欠点を凌駕するのでよしとしたい。
No. 4
0人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
3 織田信忠, 2010-08-08
By ID:A2VORGYQWVJV8Yさん
信長嫡男でありながら父からはそれほど重要視されていないまま青春時代を過ごす。やがて武将としての実力を付けてくるが信長とはなかなか意思疎通が合わない。時には父を疎ましく思うこともある。そんな彼が岩村攻め、さらには武田討伐の先陣として成長していく。父とは次第にわだかまりも溶けてくるが最後は呆気なく光秀に滅ぼされてしまう。信忠をこれだけのスケールで作品化されたものは外に類をみない。戦国時代小説の中で何時も影の存在で登場場面といえば前述の2箇所くらいだが本書は詳細かつ綿密に仕上がっている。ただし小説としての娯楽性は多少落ちる。登場する武将の羅列がとにかく多い。あるいは通称名によらないところがあるため多少読み難い。秋山信友⇒虎繁、森蘭丸⇒乱丸など。読後感も大作を読み終えたことが一番で作品内容での感動が今一つ足りない。歴史小説275作品目の感想。2010/08/08
No. 5
7人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1 筆者の自己満足作品, 2007-03-20
By ID:AXOXR5AD8EDQQさん
あまり題材にされない「信忠」が主人公という事で買ったが、正直がっかりだった。
あまりにも現代人の感覚でのみ戦国武将「信忠」を描いている事に違和感を覚え、感情移入出来なかった。

ろくに武将の心構えも学ばずに元服、「いくさ」に出ても何をしたらいいのか解らない様な「信忠」が、会ったことも無い松姫に10年以上にも及ぶ恋心を抱く。等、
当時には考えられない様な設定ばかりで、筆者自身が「信長亡き後も充分天下統一出来た人物である」と紹介しているにも拘らず、信長に尊敬・畏敬の念よりも只々恐れ、萎縮する「信忠」では、天下統一するどころか戦国武将としても疑問が残る。

評価できる所は三職推任を「信忠」への天下与奪と信長が考えていたという件で、これは有力な説であり、共感できたが・・

No. 6
1人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5 織田信忠の人生を見事に描ききる!, 2009-04-12
By ID:ABZ5NXJNZU2XVさん
織田信長の長男である信忠について,戦国時代の史家ではない一般市民がどれほどのことを知っているだろうか?「信長の息子」と知っている人の数さえ少ないと思われる.その理由として,父である信長が我が国の歴史解釈上あまりに偉大であったことと,本能寺の変でその父とともにその生涯を閉じてしまったことにあるかと思う.そのためか,信忠を主題とした小説はほとんどない.
本書はそんな信忠を生き生きと描く希有な作品である.読めば読むほど信忠を好きになる.「どうして本能寺の変を生き延びてくれなかったんだ」「信忠が生きていてくれれば,あるいは後世の我が国の歴史は変わっていたのでは」.そう思わせるような迫力が本書にはある.
筆者である近衛龍春氏は,我が国の戦国史上の敗者を描くことに関しては,当代随一であると感じる.本作品は,戦国史も織田信忠も知らない人が読んでも楽しめるだろう.

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