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臨床医の立場から, 2007-11-29
本書にいわゆるハウツーもののような整理の手練手管を期待してはいけません。その内容はアートディレクターという仕事の本質、根源に遡るものです。著者はこの仕事をドクターになぞらえ、”答えはいつも自分でなく、相手の中にある”、”それを整理するために相手の思いを整理することがすごく重要”と述べています。これはデザインというものを感性ではなく、論理で捕らえ、その過程を理路整然と表現すると言う態度であり、ご本人の意識どおり、ドクター(臨床医)の思考回路そのものであろうと思います。臨床の知恵と言うべき思考方法がこのように全く違う分野でおこなわれていることに一種の驚きと喝采を持って読みました。
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真の意味の自己実現とは何か, 2007-11-27
読んでみて、素直に人に勧めたくなった一冊。
最初は、この著者に対して大いなる偏見があった。
つまり、自分の才能一つでのし上がった人特有の、自我の強さに満ちた人種なのではないか、という。
ところが、いざ読み始めてみれば、そのフランクで柔らかい語り口に、自然しぜんと引き込まれてしまった。
しかも、そこに書かれている内容は、なかなかのもの。
伊達に「気鋭のアートディレクター」を張っているわけではないな、と思わせられた。
書名に「超整理術」とあるのは、「単なる環境整備のことだけを言っているわけではない」という意味合いで「超」が付いている、と考えてよさそうだ。
「空間の整理」「情報の整理」「思考の整理」と三つに分け、大切なのはプライオリティーであり、視点の導入であり、思考の情報化である、と説かれている。
何より感心したのは、はっきりと語られていたわけではないが、この著者の考え方の奥にあると思われる、「自我を去ることが仕事の成功につながる」という思想。
もっと、「自分はこう表現したい」と強く押し出す形で成功してきた人なのかと思いきや、自分を表現することよりも、クライアントの求めるものを正しく汲み取り、それに寄り添う形で自らの才能を投入することにより、その仕事のあるべき姿が実現し、そこにあるべき成果が伴うに至る、といった哲学の持ち主であるように見受けられた。
真の意味の自己実現とは何かが端的に語られており、特に芸術系の道で身を立てようと志す人にとっては、非常に参考になりそうだ。
結局、「自分が、自分が」と思っているうちは大したものは生み出せず、自在に視点を変換させ、ある時は受け手の立場に立ち、ある時は受け手をも超え、俯瞰した立場で捉える、といったことが、価値のある何かを生み出すためには必要不可欠なのではないか。
そのようなことを改めて考えさせられた。
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ビジネス書というよりは…, 2007-12-03
佐藤可士和自らがアイデアの源泉を語る!
の内容どおり、一人の人間のものの考え方や仕事の取り組み方がわかる本です。
整理術や、自己啓発を主な目的としている人にはおススメできません。
ノンフィクション小説のような感覚で、
問題解決プロセスをなぞっていくという風に読むのが一番楽しめるのではないでしょうか?
デザイナーの人の本ははじめて読むのでなかなか面白かったです。
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レビューはもっともだけど, 2007-10-24
たしかに、他の方のレビューはもっともではあるものの
だからこそ素晴らしいと私は感じました。
芸術のような、思考回路を体感することで
読んだ人の中にも才能が芽生えるきっかけになる作品です。
論理思考のスキルを学んだけど、ただ小難しい人になっただけと言う人は多々いますが、
この本の伝える世界は、ロジックのクリアさと感受性のクリアさの
双方が持つパワーを教えてくれていると思います。
何かを学ぼうとするのではなく、
彼の思考と感性を体感するという視点で読むと
とても役立つと思います。
私は興奮のあまり、もう10回以上読みました。
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アイディアを考える前にすべき準備運動, 2008-03-01
何かのアイディアを考えるとき、(1)情報収集、(2)情報の整理、(3)仮説構築、という3ステップを踏むことが普通だと考えられていますが、意外と2番目のステップは軽視されがちです。私も、整理を軽視して、多すぎるタスク、多すぎる情報、多すぎる資料、多すぎる物を処理しきれなくなって、頭がフリーズしてしまうことが多々ありました。この本は2番目の整理ステップの重要性について気づかせてくれたという意味で、非常に有用でした。
整理というのは、意識していないと軽視しがちなことでもあります。整理が大切だということに反対する人は少ない。では、あなたの机の上は常に整理されていますか?
例えば、トヨタ生産方式では、整理整頓や清掃を生産性向上の最重要ポイントとして位置づけます。机の上に余計なものは一切、置きません。また、マインドマップは、脳が情報を格納する構造に似せてアイディアを放射状に整理することで、思考を活性化させてくれます。当たり前のことが、これだけ多くのところで強調されているのは、意識していないとできないことだからです。
この本では、佐藤氏が、物の整理、情報の整理、思考の整理をどのように行い、それは優れた作品を生み出すことにどのように役立ったか、ということが書かれています。良いアイディアを生み出す上でどのような習慣を見につけるべきか、という観点で読むと、本書の価値が理解できると思います。そして、多くの場合、整理するだけでも、自ずと答えが見えてくることが多いということが理解できると思います。
最後に、どうすれば良い仮説、良いアイディアを構築できるか、ということは本書の対象外です。そのことを勘違いしている人が多いのか、レビューの評価が低くなってしまっているのは残念です。
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